私のバイブル
アンティーク食器好きの人に欠かせないアイテムがこれ↑
年代別のホールマークや由来、使われていたパターンが
各メーカーごとに解説されています。
この本を買うきっかけとなったカップが
このセーブルのAナンバー作品↓
セーブルのソーサー・カップの後ろに『A』とあるのは1753年
につくられたことを意味します。
1753年というと、まだバンセンヌにあってルイ15世の保護を受け王室工場となった年です。
手元にあるだけで、時代を感じさせる一品です。
当時の絵付け師は発色を良くするために、高濃度の鉛やカドミウムを含む絵具を使用していました。命を削って絵を描く・・というのはまさにこのことです。
高濃度鉛のおかげで、透き通った肌の感じも表現が可能です。
セーブルのもうひとつの魅力・・・それはソーサー(受け皿)には
まったく異なった絵が描かれていることです。
多くはこのように花が描かれています。
そして、いつしか濃い藍色のものを『王者のブルー』
かわいらしいピンク色のものをポンパドール夫人が好んだことから
『ポンパドールピンク』と呼ぶようになりました。
我が家にあるアンティークセーブルを載せてみました。
数百年前に戻ってご覧ください。
珍しいことにこのソーサー、紋章のような模様が描かれています。
カップの裏には何か言葉も・・・
↑これらBBナンバーは1779年作 色数をおさえた彩色が特徴
≪軟質磁器にピンク≫ポンパドール夫人好みのピンクのシリーズ
うってかわって、明彩色の作品
『私の時代が来たわ』
愛妾ポンパドール夫人の言葉を象徴するかのような豪華な1点
ソーサーにまで及ぶエナメル盛
≪陶磁器の歴史≫≪権力の象徴≫≪女性の地位≫
≪野望≫≪政治とお金≫あなたはこの作品に何を感じますか?
↑『F』ナンバーは1758年の作品
ヴァンセンヌにあった窯は1756年にポンパドール夫人の手によってセーブルの地に遷された。
遷移後のポンパドール夫人好みの典型的なピンク
つぎは・・・わたしがお気に入りの作品
絵具の入り方が絶妙。。
ターコイズブルーに赤いビジューがとてもゴージャスです。
↑ 『L』ナンバーの作品。1764年作
写真では表せないほどの細密画です
↓同じく『L』ナンバー作品1764年作
周りの装飾は似ていますが、窓絵の作風が全く異なります。
少し年代がずれると、装飾の技法・図柄もがらりと変化
ルイ15世スタイルの豪華な装飾・ビジューを思わせるエナメル盛はなくなり
代わって緻密な金彩幾何学模様へ
↑『T』1772年の作品
あきらかに、材質・彩色技法の進歩がみられます。
そして、当時の箱に入ったまま購入できた一点
マークが前述のものと全く違います。
このマークは1833~1899年の間
使われていたようです。
この『S76』は1876年を表しております。
さあ、あなたの好みの一点はみつかりましたか??
by rifimi | 2010-02-25 06:32 | コレクション