『手を投げる』~ベルギー(1)~
オランダ・ベルギー国境を越えるころには、
バスの中の外気表示は11℃になっていました。
あのチューリップ畑の20℃を越える陽気とは、
まったく違う寒さです。
街を歩く人々は、ダウンやレザーのコートを身に着けています。
隣の国でもこんなに違うの?
いやいや、樺太より緯度は上だもの寒いのかしら?
ホテルで見た天気予報では、今日あたりから
北海沿岸寒気団が押し寄せてくると言っていたし。。。
一抹の不安を抱えながら、ベルギーの旅が始まりました。
アントワープは英語、
地元では公用語のオランダ語でAntwerpen
フランス語でアンヴェルス(アンベルス)
街には手の銅像や石像が見られます。
「Antwerpen」とは、オランダ語で「手を投げる」という意味です。
そして、古英語では「hand」「wearpan (= to throw)」という
名称の由来と言われています。
なぜ、こんなに手が象徴されているのでしょう。
『昔、この地方で権力のアンティゴヌスは、スヘルデ川を渡ろうとする者に
通行料を要求し、それに応じなかった者の片手を切り落として
河へ放り捨てていた。
しかし、ある日、若き英雄ブラボーがついにアンティゴヌスを退治し、
その手を切り落として河へ投げた。』
この伝説が元になり『手を投げる』という街の名前になったのでした。
あまりの寒さに飛び込んだカフェでも、
添えられたクッキーは『手』のかたちのクッキーでした。
アントワープといえば。。。
日本人なら、 『フランダースの犬』が思い出されますね!
ベルギーに住むこと28年の明るいSさんが
よく通る声でおっしゃる。
『日本人ならば』
に、ひっかかるなあー。
実は、、、あの原作者はイギリス人で、世界中で有名になりましたが、
ベルギーには、ほとんどあの本はないんですよーー;^^)
あの本を読んだベルギー人は、あまりにも終わり方が残酷でかわいそうな物語を
子供たちには伝えられない。ばかげている!といって、
排除してしまったそう・・・・・・。
というわけで、ベルギーの学校の図書館には一切置かれていない『フランダースの犬』
最後に倒れこんだあの教会がこちらです。
ノートルダム大聖堂
街のどこからも見ることが出来るシンボル。
たとえクリスチャンでなくとも、厳かな気持ちになります。。
撮影OKの大聖堂は、ステンドグラスもとても素敵。
その昔、パリのノートルダム寺院のステンドグラスを初めて見た
感動を思い出しました。
円形のバラの窓は魅力的な美しさ。
我が家にも欲しい・・・・・・。。。
そしてネロが見たかった絵がこれです。
ルーベンスのキリスト降架
ルーベンスのキリスト昇架
その作者、ルーベンスの工房跡『ルーベンスハウス』
ルーベンスハウスは残念ながらお休み。
しかし、いかにお金に恵まれた画家であったのか・・・
立派なたたずまいでわかるような気がしました。
お隣の建物まで購入し、特大の絵の注文にこたえるために
出入り口のつくりにもこだわった様子。
知り合いの方のおうちに飼われているワンちゃんのお名前が『ルーベンス君』
だったので、まわりに犬はいないかと探しましたよ。
犬たちは、また後ほど。
市庁舎には、日の丸も。
それにしても、重みのある建物で。。。
ギルドハウスはおとぎの国のよう。
でも、こんな素敵な小道もたくさんあり、ベルギーに魅せられた現地日本人Sさんのお気持ち
よーーーくわかりました。
『美しいものを見る』『心地よいものを見る』
アントワープは癒しの街・・・
by rifimi | 2010-05-15 18:18 | その他